スポーツによる腰痛(下肢への影響)

体にとって必要な適度なスポーツによって起こりうる腰痛

下肢へ影響する疾患

「スポーツによる腰まわりにおこりやすい障害・症例」として、コンパートメント症候群とグロインペイン症候群を詳しくご紹介します。

コンパートメント症候群

特にふくらはぎの部分に起こりやすい症例ですが、腰の筋肉の部分でも起こると言われています。腰椎を支える腰部の起立筋のオーバーユーズ(使いすぎ症候群)により内圧がたかまります。筋肉の使いすぎ、それによる炎症や打撲、骨折などで筋肉周囲に出血が起こります。筋肉は膜で包まれ、それぞれ区画に仕切られているため、出血によりその区画の圧が上昇すると、血流障害や筋肉の線維化、壊死、神経の圧迫が起こります。出血が起こるほどの重度のものであれば、外科的な処置が必要です。過度に足の筋肉を酷使するスポーツや繰り返し外傷する場合に起こりやすいです。

安静時痛はありませんが、運動時あるいは歩行時に関連して腰痛悪化(前屈も悪化)します。腰痛は後屈(反ること)によって速やかに消失します。腰のコンパートメント症候群の場合、下肢症状は伴いません。ふくらはぎの場合は下腿に症状が生じます。
筋電図で確認すると腰痛出現時の筋内圧が高い(150mmHg以上)ことが計測されます。

グロインペイン症候群

股関節周囲の痛みが起こります。運動時あるいは運動後の股関節、鼠径部、恥骨部周囲の障害をまとめて症候群と名づけています。恥骨結合炎、鼠径ヘルニア、内転筋付着部炎や障害、腸腰筋障害、恥骨結合離開などが組み合わさることで状況が悪化しやすいです。

また、股関節や骨盤や腰椎の、関節の動きの悪さがあることで、スポーツ中に無意識に筋肉にブレーキをかけたり、十分な動きが得られないために無理にひねったりという状態になります。これが長期的につづくと、恥骨や鼠径部へのストレス増加になり、結果的に痛みやこわばりを引き起こします。同じ年齢でも繰り返し外傷をうけたことがある人の方が組織の変性は早いと言われています。その他、股関節や膝、足関節を怪我した結果そこをかばう為に腰痛が発症することもあるので、腰~足はひとつのユニットとして考えて早めに対応することが必要です。